筋肉量 ~チェック~
2020/04/17
遅刻しそうになって駅の階段を駆け上ったら、足がもつれてヒヤッとした―こんな経験はありませんか?
自覚がなくとも、筋肉は加齢とともに、自然な老化で減少し続けています。また、筋肉は運動面だけでなく、がんや認知症といった疾患リスクの低減に関係していることもわかってきています。
以前にもお話しましたが、筋肉量を増やす事で免疫力を上げる事もできます。
筋肉は一生の財産です。
筋肉は20代後半から減り始め、80歳では半分に!
筋肉は一般的に20才過ぎから減り始めます。特に太ももやお尻などの下肢の筋肉は腕などの上肢に比べ減り方が早く、30歳から80歳までに半減するといわれています。今の筋肉量が少ない人ほど将来の筋力低下による、要介護や寝たきりリスクが大きくなるといえます。
特に運動不足になりがちな現代人は、マイナス通帳にならないためにも、動ける身体のうちから意識して筋力をつける「筋肉貯金」が必要です。
でも今、困っていることはないし……と思っていませんか? 次の簡単なテストで自分の筋力が“合格ライン”かどうかわかります。チェックしてみましょう。
今すぐわかる!筋力チェック
オフィスの椅子(高さ40㎝程度)に座り、図のように片脚だけで立ち上がり、そのまま3秒停止。左右とも行ってみましょう。立てなかったり、ふらついて両脚をついたりしたら筋力が衰えているサインです。ここにもあらわれる!筋肉の残高不足✅靴下を履くときに、よろけることがある✅職場や地域、子どもの学校等の運動会で久しぶりに走ったら足がもつれた✅駅の階段を駆け上ったら、思った以上に足が重く、疲れた✅歩いているとき、首や体が左右にゆれているような気がする→息がはずむ程度の少し強めの運動をしたときに、思うように足が動かなかったり、すぐ疲れたりしたら筋力低下のあらわれ。将来の筋力不足が心配されます。「筋肉貯金」は、がんや認知症の備えにも筋肉をつけるメリットは、足腰の衰えを防ぎ将来の寝たきりリスクを減らすことだけではありません。国内外の数々の研究から、「健康で長生き」を阻む慢性疾患の予防や、症状改善に導く可能性も示されています。主なものをご紹介しましょう。糖尿病東京大学と北里大学との共同研究で、平均年齢70歳のⅡ型糖尿病患者さんに筋トレ(スロートレーニング:後述)を4カ月してもらい、前後の血糖値(HbA1c)を測定したところ、平均で0.3(範囲0.2〜0.8)下がったという結果が得られました。糖尿病は肥満体型の人がなりやすいイメージを持たれがちですが、欧米に比べ日本人はやせている糖尿病患者が多いことから、筋肉量が少ないためにエネルギー消費量も少なく、余分なエネルギーである糖が血中に増え糖尿病になる、すなわち筋肉の減少が糖尿病の要因になっているのではないかとも考えられます。認知症高齢の認知症患者さんを、筋力をつける強めの運動をする群と、軽めのストレッチをする群に分け、1年間定期的に運動を続けたところ、筋力をつける運動群の方が、脳の海馬の体積が増えたという研究報告があります。海馬は短期記憶を司る部分で、アルツハイマー型認知症との関連が知られています。がん運動時、筋肉から分泌される「SPARC(スパーク)」と呼ばれる物質に、初期の大腸がんにおいて、がん化が疑わしい細胞を自死(アポトーシス)に追い込む働きがあるという研究報告がされています。これにより、SPARCは大腸がんのリスクを抑える可能性があると考えられています。また、がんが進行すると筋委縮する(筋肉量が減りやせていく)ことが知られていますが、マウスを用いた実験で、筋肉量を増やすとがんが進行しても、筋肉量を増やさない場合よりも寿命が伸びることが確認されています。つまり、がんに罹っても、それによる筋委縮を抑えれば、延命につながる可能性があることがわかってきたのです。当院では患者様が身体のお悩みがある限り営業をさせて頂いています。お身体でお悩みがあればご連絡ください。