立ち仕事で腰が痛い 原因と対策
2020/06/15
骨と骨の間にはクッションの役割を果たす椎間板があり、靭帯によって積み木のように連結されています。
背骨(脊椎)はS字カーブ型により、重力を分散したり歩行時の衝撃を吸収してくれたりしています。
無理な姿勢を続けてS字型カーブに負荷をかけると、痛みや身体の不調が起こりやすくなります。
背骨のカーブと上半身の重さを支えられる腹筋や背の筋肉がしっかりついていない場合、靭帯や腰の筋肉に負担がかかります。その結果、不自然な姿勢や体のゆがみなどの原因になり、腰痛を招きます。筋力は何もしないまま過ごしてると加齢により筋肉量が低下するので、普段から意識的に体を動かし、筋肉量を増やしましょう。
立ち仕事の腰痛を軽くするセルフケアの5つのポイント
「長時間の立ち仕事で腰が痛い。しゃがんだり荷物を持ったりするのもツラい」。そんな不調の対策や予防法をご紹介します。自分に合ったセルフケアを上手に取り入れて、健康で快適な毎日を送りましょう。
気になるコツをチェック!
1.立ち仕事の基本の姿勢はこれ!(↓コツ1参照) 可能なら片足を台に乗せておくと軽減(朝の顔を洗う動作時にも効果あり)
2.立ち仕事の腰のだるさを休憩時間にストレッチで解消
3.振り向く、しゃがむ、荷物を持ち上げる…。一つひとつの動作を大きく動かす
4.腰痛が気になる人は、冷えもチェック!温めると疲れやだるさがやわらぐことも
5.ぬるめのお風呂で全身の血めぐりを促進。腰痛を招く疲労物質などを流し去る!
コツ1.立ち仕事の基本の姿勢はこれ!可能なら片足を台に乗せておくと◎
腰痛を防ぐために、立ち仕事の正しい姿勢を覚えましょう。壁に背中をつけて立ったとき、後頭部、肩甲骨、仙骨(お尻)、かかとの4カ所が壁に当たっているのが、正しい姿勢の目安。
ゴールデンライン
このとき、腰の後ろと壁の間に手が入る程度の隙間ができているかを意識します。隙間が大きすぎると「反り腰」、隙間が小さすぎると「猫背」の姿勢になるので是非ご確認ください
<立ち仕事の基本の姿勢1>
後頭部、肩甲骨、仙骨(お尻)、かかとが壁につき、腰の後ろに手が入るくらいの隙間ができているのが、立ち仕事の正しい姿勢
カウンターなどで下半身を隠せる職場なら、左右の足を交互に台に乗せて姿勢に変化をつけると、腰への負担を軽減できます。腰の痛みに左右差がある場合は、痛みのある方の足を長く台に乗せておきましょう。背すじを伸ばし、下腹に力を入れ、あごを引き気味にするのもコツです。
<立ち仕事の基本の姿勢2>
足元に台を用意し、片足ずつ乗せると、腰への負担が減らせる
コツ2.立ち仕事の腰のだるさを休憩時間にストレッチで解消
バックヤードに行ったときや休憩時間に簡単にできる、背中のゆがんだアーチを正して腰のだるさをやわらげる方法をご紹介します。
注意したいのが、ハイヒールではなく底が平らなフラットシューズやスニーカーを履くか、素足で行うこと。足を壁に寄せていく際、あやつり人形のように上からつり上げられる感覚を意識するのもポイントです。
<背中のカーブを正すストレッチ>
(1)壁から10~20cm離れて立ち、肩とお尻を壁につけ、お腹に力を入れて30秒ほど静止する。足元を見ず、視線は前方へ向ける
(2)次に、上半身の姿勢をキープしたままで、片足ずつ壁の方に寄せていき、両足のかかとを壁につけた状態にして30秒ほど静止する。(1)と(2)を1セットとし、1日数回を目安に実行するとよい
※運動やストレッチの効果には個人差があります。無理をせず、伸ばしている部分が「気持ちいい」と感じる程度を目安に行ってください。
コツ3.振り向く、しゃがむ、荷物を持ち上げる…。一つひとつの動作を丁寧に
腰痛にならないために注意したいのが、突然の動作や力が必要な動作により、椎間板や靭帯などを痛めてしまうことです。振り向くときは、腰を急にひねりすぎないようにゆっくりと振り向くか、体の向きそのものを変えましょう。
荷物を持ち上げるときは、完全にしゃがんでから荷物に手をかけ、下腹にも力を入れ、腰の力だけでなく全身の力を使って持ち上げてください。体の向きを変えるときは、荷物を持って立ち上がってから向きをチェンジ。「ながら動作」をせず、一つひとつの動作を丁寧に行いましょう。
コツ4.腰痛が気になる人は、冷えもチェック!温めると疲れやだるさがやわらぐことも
冷える環境にいると、血行が悪くなり、疲労物質や発痛物質の代謝が滞ることで、疲れやこりが起こりやすくなります。職場の温度設定を変えるのが難しいときは、厚手のタイツやストッキングをはく、保温効果にすぐれた服を選ぶなど、冷えないように気をつけましょう。
エアコンの効いた職場で働く人は、夏でも冷えに要注意。腰に手を当てたとき、手の温かさを気持ちよいと感じたら、腰が冷えている証拠です。痛みやこわばりが気になる部分を温めましょう。
コツ5.ぬるめのお風呂で全身の血めぐりを促進。腰痛を招く疲労物質などを流し去る!
疲れは翌日に持ち越さず、その日のうちに解消を。